なぜ日本の「動物保護施設」の実態は違法な犬猫の殺害施設なのか(1)?

犬猫 3950万頭「殺処分」

これは狂犬病予防法及び動物愛護管理法施行後の過去62年間 (昭和27年から平成25年度)で日本で「殺処分」されたと報告されている犬猫の頭数である。

注):猫の収容は昭和49年から開始。

生還したのは収容頭数4351万頭の内、僅か401万頭で全体の1割に満たない。

犬の「殺処分」報告頭数は過去61年間で3038万頭。この数字は平成24年度における全国の犬の新規登録報告数47万頭の65年分、総登録報告数679万頭の4年半分だが、これだけの犬が「殺処分された」とは不自然に多い数字ではないだろうか?(「殺処分場所」は平成元年時で全国192カ所)猫の「殺処分」頭数についても過去40年で900万頭を超えている。

筆者はこれらの「殺処分」頭数について、相当数が水増し、架空計上されたものと推測している。また、1割に満たない生還率について、法令を無視した「動物管理業務」の業務量維持動機、利権目的の犬猫の殺害が横行してきた結果とみている。具体的な事例については後述する。

自治体は引取った犬猫について、その虐待防止に努める義務があるが、日本の動物保護施設自体が引取り=殺害という違法な動物虐待施設となっている。一般市民や動物保護団体による動物保護活動の実態は「殺処分」される犬猫を救出する、虐待を防ぐ、という本末転倒、異常な状況が常態化している。その背後には「動物管理事業者」らの利権がある。

衆議院議員 環境委員会において 平成20年4月11日、松野頼久議員が以下の発言をしており、典型的な犬管理所における動物虐待の事例を報告している。

「今年の一月にもですね、実は大阪の犬管理事務所に私も行ってまいりましたけれども、それはあとでまたお話しをいたしますが、やはりその、そういう動物愛護の意識というものがないんですね。これ、写真を付けてありますけれども、15ページ、資料の15ページの写真です。これは今年1月に大阪に行ったときの私が撮った写真ですけれども、真冬で物凄い凍りつくような日にですね、ずーっと水が流れている、で、こういう状態で濡れているんです。で、ここは、すべて殺す施設です、と言い切るわけですね。譲渡はしておりませんと。」「例えば大阪も私そうだったんですけども、対応して、一緒に行った愛護団体はですね、「あ、この犬とこの犬とこの犬を引き取りたい」と「飼い主は絶対見つかるはずだ」と言って直に交渉すると「うちでは一切譲渡はしていません」と断ってしまいます。」

  • 第169回国会 環境委員会 第4号(平成20年4月11日(金曜日))

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001716920080411004.htm

平成18年1月31日 仙台市長の記者会見では以下の質問がなされている。

動物管理センター職員が動物を保護しようとした市民に暴言を吐いたり、市民が動物管理センターに動物を引き取りに行くと連絡していたのにも関わらず処分してしまったなど不適切な対応についてどう思うか」

仙台市動物管理センターに係る新聞記事 動物管理センターが動物の処分(殺害)施設である事が分かる。

仙台市

 

表1:全国の犬猫の収容及び処分状況(昭和27年から平成25年度)

*狂犬病予防法に基づく犬の抑留と動物愛護管理法に基づく犬猫及び負傷動物の収容及び処分頭数の合計値

犬猫の捕獲・引取と処分数(集計)

グラフ1:犬猫の返還譲渡率の推移(全国) 昭和27年と平成25年を比較すると収容頭数自体は減っているにも係らず返還譲渡率が僅か6%しか増えていない事が分かる。

犬猫の捕獲・引取と処分数(全国統計)

 

グラフ3:狂犬病予防法に基づく捕獲犬の返還率の推移(全国) 昭和27年と平成25年を比較すると捕獲頭数自体は大幅に減っているにも係らず61年間で返還率は僅か15%しか増えていない。

平成20年以降の返還率の上昇は平成19年の遺失物法改正の影響と思われる

尚、秋田県においては昭和27年、犬の返還率94%が記録されているにも係らず、平成5年には4.5%まで減少している(グラフ4)。

犬猫の捕獲・引取と処分数(全国統計---厚労省)

 

グラフ4:狂犬病予防法に基づく捕獲犬の返還率の推移(秋田県)

犬の捕獲・返還の推移(秋田県)

 

根拠資料:狂犬病予防法(昭和25・8・26・法律247号)及び動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48・10・1・法律105号)が公布されてから記録が残っている衛生年報、衛生行政業務報告及、衛生行政報告例、動物保護管理行政事務提要及び動物保護管理行政事務提要から集計

昭和27年から平成24年度までの都道府県別等データについては以下データを参照して下さい。

(昭和27年から平成24年度)


(平成25年度)

犬・猫の引取り状況(都道府県・指定都市・中核市別) http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h25_dog-cat2.pdf

犬・猫の負傷動物の収容状況(都道府県・指定都市・中核市別)

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h25_dog-cat.pdf

犬の登録申請数・登録頭数・予防注射済票交付数・徘徊犬の抑留及び返還頭数・犬の死亡届出件数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別

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